淹れやすいかどうかは豆の種類の違いだけでなく、焙煎度によっても差が出ます。

田口さんの著書「コーヒー抽出の法則」(51ページ)を参考にまとめます。


コーヒー抽出の法則
※試し読み、Kindle版あります




「生焼け」ではない浅煎り焙煎は難しい

浅煎りといえば酸味ですが、田口さんは「豆本来の酸味が出せる焙煎は難しい」とされています。

焙煎度にもやはり流行があり、新しい店は流行りの味をメインに取り扱うことも多い。今、サードウェーブ系の店では浅煎りが注目されている。
 
浅煎りの豆は苦みがほとんど感じられないため、酸味がメインの味となるが、豆から引き出される本来の酸味を焙煎で適正に引き出すことはかなり難しい。
 

その理由は「浅煎り」ではなく「生焼け」状態になりがちだからです。
 
中心部までしっかり火の通った焙煎をしなくてはいけません。

煎り時間が短いため、豆の中心まで火が通っておらず、胸焼けのするような酸味を感じることもある。それは明らかにストライクゾーンを外してしまっている。
 
浅煎りだとしても、しっかり豆の中心まで火が通った浅煎りなら、胸焼けのする酸味ではなく、本来の酸味を楽しむことができるだろう。そこは注意深く焙煎豆を選んでほしい。

焙煎に加えて、抽出にも注意が必要です。

浅煎りは抽出が遅くなりがち それを踏まえたコツ

浅煎りの豆は、抽出時に独特の傾向があります。

適正な浅煎りだとしても、抽出時にも十分な注意が必要だ。
 
浅煎りは粒の密度が高いので沈殿しやすく、抽出スピードが遅くなる傾向がある。
 
ある時、競技会で、沈殿すると目詰まりが起きるので、攪拌して落とすという荒技が登場した。
 
つまり、ドリップにもかかわらず、透過式ではなく浸漬式に近い状態になってしまっているということだ。
 

この傾向を踏まえた、田口さんおすすめのコツがあります。

抽出スピードが遅くなると渋みも出てしまうため、なるべく速く落としたい。
 
だとしたら粗く挽き、落ちるスピードの速い円錐型などのドリッパーで高い温度でさっと落とすことだ。
 
余分な渋みは出ずに早めに抽出されるはずだ。

浅煎りコーヒーを淹れる際の参考にしてみて下さい。