「美味しいコーヒーを入れるには?」という問いには無限の答えがあり、「コレ!」とひとつに決めるのはおそらく無理です。
 
人によって好みが違いますし、飲むシチュエーションによっても、美味しく感じるコーヒーは変わってくるでしょう。

とはいえ、「多くの人が美味しいと感じる淹れ方」や「こうすればこんな味になる」などの、いわゆる”セオリー”は存在しており、それを知っていれば自分の好みのコーヒーを淹れる助けになります。
 
その”セオリー”もまたいろいろあるのですが、私が購入したこちらの本「いちばんおいしいコーヒーの淹れかた」から、
 
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美味しいコーヒーを淹れる一例を紹介します。
 
この本の「おいしいコーヒーを淹れるために」というコンテンツのポイントを以下にまとめます。




豆を選ぶ

従来の産地別コーヒーに加えて、最近はスペシャルテイコーヒーも出回るようになりました。
 
スペシャルティコーヒーとは、生産者や生産方法などが明確で、焙煎後、カッピングによって評価された高品質のコーヒー豆のことです。フルーツやチョコレート、フローラルといった香りを含むのが特徴です。
 
焙煎後に時間が経ちすぎた豆は酸化し、本来の味や香りを失ってしまいます。
 
焙煎した日をお店で確認し、”飲み頃”を把握しておきましょう。保存にも気を遣い、賞味期限内に飲みきるのがポイントです。

好み焙煎度合いを知る

焙煎は浅いほど酸味が強くなり、深いと苦みが出ます。

浅煎り

・ライトロースト シナモンロースト 
あまり出回っていません。酸味が強い一方で苦みは無く、香りも薄いのが特徴です。

中煎り

・ミディアムロースト ハイロースト シティロースト 
スペシャルティコーヒーに多い焙煎です。焙煎が深くなるにつれて酸味が薄れ、苦みが強くなります。
 
コーノ、カリタなど一般的なペーパードリップ、フレンチプレス、エアロプレスといった器具が使われることが多いようです。

深煎り

 
・フルシティロースト フレンチロースト イタリアンロースト 
苦みが強く、酸味は弱い焙煎です。フレンチロースト、イタリアンローストされた豆は表面にオイルが浮いています。濃厚な香りが特徴です。
 
エスプレッソ、ネルドリップ、ドーナツドリッパー、水出し器具などが多く使われます。

豆を挽く

美味しいコーヒーを淹れる重要ポイントのひとつに、「豆を挽くのは淹れる直前」があります。
 
豆を挽いて表面積が大きくなると酸化が早くなり、香りも逃げやすくなるからです。
 
豆の状態で購入して、淹れるのに必要な量をその都度挽きましょう。
 
以前紹介した、こちら↓のコンテンツの動画でも、
佐野俊郎さんのハンドドリップ動画 これぞまさに”猫に小判”
 
佐野さんは淹れる直前に豆を挽いています。
 
淹れる器具によって挽き方も変わります。以下にまとめておきます。(使う器具はあくまで目安であり、絶対というわけではありません)

極細挽き

エスプレッソマシン マキネッタ トルココーヒー 

細挽き

水出し器具 

中挽き

ペーパードリップ コーヒープレス エアロプレス サイフォン コーヒーメーカー 

粗挽き

ネルドリップ パーコレーター 

湯温を計る

湯温は焙煎の度合いとの兼ね合いで、コーヒーの味に影響します。
 
深煎りした豆は、湯温が高いと苦み成分が出やすくなり、浅煎り豆を低い温度で淹れると酸味が強くなります。
 
お湯を沸かすやかんと抽出するポットは別にするのが理想ですが、コーヒープレスのような器具で浅めに焙煎した豆を抽出するなら、やかんから直接お湯を落としてもOKです。
 
慣れてくると、やかんからポットに移しての時間経過でどれくらいの湯温になるかわかるようになります。
 
慣れるまでは温度を計り、どの湯温で淹れると一番自分の好みになるかを試してみると良いでしょう。

佐野さんが近年一番美味しいと感じたコーヒーは

最初に書いたように、人の好みは千差万別であり、美味しいコーヒーをひとつに定義することはできません。
 
「その人が美味しいと感じたものが、美味しいコーヒー」なのです。
 
ちなみに、佐野さんが近年で一番美味しいと感じたコーヒーは、熊本地震で被災した際、避難所で熊本大学の学生が出してくれたアイスコーヒーだったそうです。