ハンドドリップに興味のある方は「抽出比率」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。

これは簡単に言うと「お湯と豆の割合」です。お湯に対してどれくらいの豆を使うかの比率ですね。
 

 
この抽出比率について、第15代ワールド・バリスタ・チャンピオンの井崎英典さんが著書「世界一美味しいコーヒーの淹れ方」で解説されています。
 
同書の157~160ページから一部を抜粋して紹介します。(この本は参考になりますよ!)

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ワールド・バリスタ・チャンピオンが教える 世界一美味しいコーヒーの淹れ方
※試し読み・kindle版あります





一般的に使われる抽出比率1:16

コーヒーのドリップでは、お湯と豆の比率を一定にすると味のブレを少なくすることができます。

コーヒーを抽出する際には、数字に頼ることで味わいに一貫性が生まれ、再現性を限りなく高めてくれます。
 
しかし、いざ抽出となった際にどれほどコーヒー豆を使って、どれほどのお湯を使えば良いのか理解していないと元も子もありません。
 
そこで重要となるのは、「抽出比率」の考え方です。
 

 
抽出比率とは、コーヒー豆とお湯の理想の割合を指します。
 
抽出に理想的なコーヒー豆とお湯の割合を示す重要な指標で、プロも抽出比率の考え方に則って、レシピ作りを行います。

抽出比率には国際的に認知されている数値があります。

例えば、ドリップコーヒーに用いられる国際的に一般的な抽出比率は、コーヒー豆を1として、お湯の量を16とする比率です。すると「1:16」という比率になります。
 
もし、20グラムのコーヒー豆を使用して抽出する場合は20×16となりますので、320グラムのお湯が必要になる、という考え方です。
 
この比率はプロの世界で好まれて使われていますが、数字が細かく面倒なので、本書ではお湯100グラムに対して、コーヒー豆が何グラム必要なのか、を明記したいと思います。

この1:16が実際のドリップで使いにくければ、次の井崎さんの比率を採用してみてはいかがでしょうか。

井崎さんが勧める抽出比率 お湯100gに豆6~8g

井崎さんはお湯100gを基準にした抽出比率を提唱されています。

抽出比率は、ドリップの場合、以下の比率を目安にしてレシピを作りましょう。
 
抽出比率の基本→お湯100グラムに対して、コーヒー豆を6~8グラム
 

実際にドリップする際はこのように考えます。

例えば、パートナーと一緒にコーヒーを飲もうかなと思ったら、約300グラムのお湯が必要になります。
 
お湯の量100グラムあたりコーヒー豆を6グラム使用する抽出比率を採用した場合、必要なコーヒー豆の量は18グラムとなります(ドリップコーヒーの場合、1グラムの粉あたり2ミリリットル程度、粉が水分を保持するので、抽出量は300グラムとはなりません)。

豆を何g使うかは、実際に淹れてみて好みのg数を決めましょう。

コーヒー豆の量に幅を持たせている理由は、右記の抽出比率の範囲内で、好みの濃度感を調整していただきたいと思っているからです。
 
私自身が良いと思っている濃度感と、みなさんの好まれる濃度感は必ずしも一致しませんので、この比率を目安にしつつ、好みの濃度感を探してみてください。
 

抽出比率をまとめます。
 
基本比率
お湯の重さ100g
豆の重さ6(~8)g
 
コーヒーカップ2杯分
お湯の重さ300g
豆の重さ18(~24)g
 
たっぷり2杯分
お湯の重さ500g
豆の重さ30(~40)g