コーヒーの後口として「キレ」や「コク」といった表現が使われますが、「キレ」って何?と聞かれると、返答に困りませんか?(管理人も困ります)
こうした語の定義がはっきりしないのです。
第15代ワールド・バリスタ・チャンピオン・井崎英典さんが著書「世界一美味しいコーヒーの淹れ方」で、表現4つを定義づけされています。
同書の38~41ページから、一部を抜粋して紹介します。(この本は参考になりますよ!)
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ワールド・バリスタ・チャンピオンが教える 世界一美味しいコーヒーの淹れ方
※試し読み・kindle版あります
井崎英典さんの定義「キレ」「コク」「スッキリ」「まろやか」
まず後口とはどういうものか、井崎さんの考えをどうぞ。
濃度感と酸味と苦みの組み合わせによって顕著となるのが「後口」です。
後口もまた味わいの指標として一般的ですので、後口を「キレ」「コク」「スッキリ」「まろやか」と分類しました。なお、どの味わいも適度に併せ持つのが中心の「バランス」です。
キレは酸味と濃度の高さ、コクは苦みと濃度の高さ、スッキリは酸味と濃度の低さ、まろやかは苦みと濃度の低さから生じると定義しています。
(中略)
生産国、品種などの6つの要素で味わいの印象は大きく変わりますが、それは突き詰めると、どのような「キレ」「コク」「スッキリ」「まろやか」感が好みなのか、という後口によって分別できます。
井崎さんによる、各後口表現の定義は以下のとおりです。
1 キレ
濃度感があり、酸味の強い味わいを「キレ」と定義する。本書では、後口が尾を引かず酸味と共に爽やかに終わる味わいを「キレ」としている。
2 コク
コクは、5味(甘味・酸味・苦味・塩味・うま味)が増強された状態である、と認識されており、多様な要素が関連しているが、中でも濃度感は重要とされており、本書では濃度感のある苦味と合わさることでコクが生まれると定義する。
3 スッキリ
程よい酸味と濃度の低さから生まれる味わいを「スッキリ」と定義する。濃度が低くなることで、液体自体の重さの度合いが下がり、爽やかな酸味と共にスッキリした清涼感を後口で感じられる。
4 まろやか
ほのかな苦みと濃度感の低さから生まれる味わいを「まろやか」と定義する。低めの濃度感とほのかな苦みがまろやかさを感じる後口につながると定義する。
バランス
酸味と苦みのバランスが取れ、濃度感も高すぎず低すぎず、どの味わいも適度に持ち合わせた後口。
それぞれの後口は、豆の焙煎度によって変わります。
キレ・スッキリ系→浅煎りの豆を選ぶ
バランス系→中煎りの豆を選ぶ
コク・まろやか系→深煎りの豆を選ぶ