「イノダコーヒ三条店」で長く店長を務めた猪田彰郎さんは、コーヒーを淹れる道具については「何でもOK」という立場です。

大事なのは「お湯の温度とかけ方」と「ひと手間」なのだとか。
 

 
「イノダアキオさんのコーヒーがおいしい理由」33~35ページを参考に、猪田さんの道具に対する考え方を紹介します。(この本はとても面白いですよ!何というか、心がほっこりします^^)


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「どんな道具」よりもお湯とひと手間 ペーパーの扱いも

コーヒーを淹れる際には、どんな道具がいいのか?と気になってしまうもの。
 
そのほうが美味しく、理想の味に近づけるような気がしますが、猪田さんはちょっと違う考えをお持ちです。

どんな道具がいいか。
 
みんなすぐそんなこと聞かはりますけどね、いらんこと考えんでいいの。
 
ドリッパーの穴が大きいとか、穴が何個とか、陶器か、プラスチックか・・・、そんなん関係ないの。
 
余計なこと考えると、それが雑味になって落ちますから。
 
何も考えんと、沸いているお湯をまんべんなくかける。それだけ。
 
これまでいろんなところで淹れてきましたけど、たいていそこにあるもんで淹れました。
 
三条店ではお玉で淹れていたけど、家ではふつうのやかんでも淹れるし、ミルクパンをお玉代わりにすることもあります。
 
手もとにあるもの、それで十分。

「道具はなんでもよい」は、ペーパーも同様ですが、道具の使い方には「ひと手間」が必要なようです。

ペーパーは、白いの、茶色いの、どっちでもええの。
 
ちゃんと濡らしておく方が大事。
 
どんな道具かよりも、ひと手間が大事。

そのひと手間とはこちら。

ドリッパーを濡らすとペーパーがぴたっとつきます。
ドリッパーは軽く濡らしてください。
 
濡らしておくとペーパーフィルターがきちっと当たります。
 
なんでもないことですけどやっておくことでコーヒーの味が変わります。
 

コーヒーを淹れるのって、道具を揃えることも楽しいですよね。
 
管理人の推測を許して頂けるなら、猪田さんの「何でもよい」は、道具にこだわる楽しさを否定したものではないでしょう。
 
「〇〇がないとドリップできない!」と思いこむ必要はない、くらいの話ではないかと。
 
「何でもよい」のであれば、自分のお気に入りやこだわりの品を使っても問題ないはずです。
 
ただしその際には「ひと手間」を忘れないようにしたいものです。