コーヒーのハンドドリップでは、豆の準備、蒸らし、お湯の注ぎ方や注ぐ量をどうするか、が話題になることが多いようです。
 
対してドリップの最後をどう締めるか、についてはあまり語られません。


 
「イノダコーヒ三条店」で店長を務めた猪田彰郎さんによると、美味しいコーヒーのためには注ぎ終わる最後の締めも大事なのだそうです。
 
”締め方”で味が変わるのだとか。
 
「イノダアキオさんのコーヒーがおいしい理由」40ページから、猪田さんの「締め」についての考えを紹介します。


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「ぼやけた味にならんように最後はぴしっと締める」

まずはドリップに使うお湯の量と”香りの残り方”について。

3杯分淹れるんやったら注ぐお湯の量は1杯多めの4杯分くらい。
 
出来上がったらちょうど3杯分くらいになります。
 
分量のコーヒーができたら、ドリッパーははずしてください。
 
泡が残っていても、もう味も香りも出ません。
 
もし粉の方にええ香りがするようでしたら、コーヒーに香りが出ていない証拠です。
 
(※太字は当サイトによるものです)

分量を注ぎ終えたら、ある程度のところでスパッと止めるのがポイントです。

とことんまで抽出しようとしはる人、多いでしょ。
 
ほしたら、せっかくの味が、みなボケてしまいます。
 
ある程度出たら、もうぴしゃっとやめる。
 
もし味が濃かったら、お湯で薄めて自分の味にしたらいい。
 

猪田さんは”淹れ方”といった技術的なことだけでなく、自身の意識についても言及されています。

最後は心の中で締めくくるように淹れます。
 
つい流れにのってお湯をぱーっとかけて終わってしまいますけど、最後を大切にすると、コーヒーもぐっと引き締まります。
 
まあ、気分的なもんですけどね。

気持ちを込めると、それがコーヒーに伝わるそうです。

気持ちを込めて淹れると、その気持ちをコーヒーが覚えていてくれるわけ。
 
それが私の基本です。
 
何十年もやっていますけど、いつも、今初めて淹れたような気持ちでそうします。
 

正直言いまして、「心を込める」といった話は眉唾に感じる方もいらっしゃるでしょう。
 
確かに、科学的に説明や解説ができるかというと難しいのは間違いありません。
 
しかし管理人としては、猪田さんのような考え方には大いに共感します。
 
コーヒーに限らず、どんなことでも心を込めるのとそうでないのは差が生まれる気がするのです。
 
このへんの考え方は人それぞれですが、私としては”心を込める最後の締め”はコーヒーの美味しさアップに貢献してくれると考えています。