コーヒーのフレーバーとして「柑橘系」「フローラル系」といった表現が使われることがあります。
 
こうした表現は、焙煎度合いをある程度知る指標にもなります。


 
第15代ワールド・バリスタ・チャンピオン・井崎英典さんの本「世界一美味しいコーヒーの淹れ方」に、焙煎度とフレーバーについての解説がありました。
 
同書の43~44ページから一部抜粋して紹介します。(この本は参考になりますよ!)

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ワールド・バリスタ・チャンピオンが教える 世界一美味しいコーヒーの淹れ方
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フレーバーと焙煎度合いの関係 産地特有の表現も

よく使用されるフレーバーの表現には以下のようなものがあります。

好意的に使用されるフレーバーの種類は大きく分けて次のとおりです。
 
・フルーツ系
・フローラル系
・チョコレート系
・ナッツ系
・スパイス系
 
フルーツ系・フローラル系は「キレ」「スッキリ」で感じやすく、チョコレート系・ナッツ系・スパイス系は「コク」「まろやか」で感じやすいと思います。
 

フレーバーは豆の焙煎度合いと関係しています。
 
焙煎度合いが浅いとフルーツやフローラル系のフレーバーが出やすくなります。

フルーツ系やフローラル系のフレーバーが、「キレ」「スッキリ」で感じやすい理由は、それらが酸味から連想しやすいとされるフレーバーであることがあげられ、したがって焙煎度合いの浅い豆から感じ取りやすいと思います。
 
また、フローラルな香りを連想させる化学物質は揮発性の高い物質であるとされ、焙煎が深くなればなるほど感じにくいとされています。
 

焙煎度が深くなるとフレーバーも変わり、生産国の特徴も表れます。

チョコレート系・ナッツ系・スパイス系に関しては「コク」「まろやか」で感じやすいフレーバーですが、焙煎度合いが深くなることで生まれる苦味や香ばしさからチョコレートやナッツのような香りを感じ取りやすくなります。
 
また、スパイス系の香りに関しては、生産国や生産処理方法にもよりますが、中でもインドネシアのコーヒーはスパイス系の香りがよく引用されます。
 

フレーバーと焙煎度の関連性は強いので、豆を選ぶ際などにぜひ意識しておきたいポイントです。

豆の購入時に、万が一フレーバーの説明で悩んだときは、焙煎度合いに応じた大まかな自身の好みから味わいを類推すると間違いが少ないと思います。
 
また同様にフレーバーの表現を学びたい場合も、焙煎度合いに応じたフレーバーの傾向を掴んだうえで、フレーバーを類推する方法が最適だと思います。

フレーバー表現は他にもたくさんあります。
 
それがどれくらいの焙煎度を表すものかを考えておくと、豆の選択も自分の好みに近づけることができます。