ハンドドリップコーヒーを自宅で淹れる場合、豆と挽いた豆ではどちらを購入すると良いのでしょうか?

第15代ワールド・バリスタ・チャンピオン・井崎英典さんが、著書「世界一美味しいコーヒーの淹れ方」でこの件を解説されています。

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ワールド・バリスタ・チャンピオンが教える 世界一美味しいコーヒーの淹れ方
※試し読み・kindle版あります


この疑問に対する井崎さんの回答は明快です。
 
同書の88~89ページから一部抜粋して紹介します。(この本は参考になりますよ!)




コーヒーは豆と粉どちらで買うべきか 井崎さんの答えは「豆」一択

豆か粉かは多くの人が迷うようで、井崎さんも多くの質問を受けるそうです。

豆の種類や焙煎度合いでしっかり好みのコーヒーを選んでも、豆で買うか、粉で買うか、また保存方法次第で品質が大幅に悪くなり得るのがコーヒーです。
 
(中略)
 
「コーヒーは豆で買うべきか、粉で買うべきか」―――この問題に関して、これまで本当にたくさんの方々からご相談を受けてきました。
 
その背景はさまざまだと思います。そもそもコーヒーを挽くためのグラインダーを持っていない、価格が高い、グラインダーは持っているが挽くのが面倒臭い、性能やデザインがあまり好きではない…など。
 

この件について、井崎さんの答えはハッキリしています。

単刀直入に申し上げますと、私は絶対にコーヒーは「豆」で買うべきだと思っています。

理由も明快です。

理由はシンプルです。
 
一般的にコーヒーは挽いた瞬間から劣化が始まります。豆の状態と比べて、引いた瞬間にコーヒー豆の表面積は劇的に増加し、空気と触れる面積が増え、劣化も急速に進行するからです。
 
豆そのものの香りよりも、引いた際の粉の香りが強いのはこのためです。
 
当然コーヒーを購入する際は、豆、粉にかかわらず、同じ値段を払って購入することになります。しかし、前述の通り、豆の状態と粉の状態では劣化スピードがまるで別物です。
 

 
つまり、豆であっても粉であっても値段は同じなのに、劣化スピードは粉の方が断然速く、損得で考えると、大損してしまうことにもなります。
 
豆で買ったあの人はまだコーヒーを楽しんでいるのに、粉で買ってしまった私のコーヒーはもう飲めたものじゃない、ということになりかねません。
 
ですので、品質とコスパで考えれば断然豆をおすすめします。
 
コーヒーはたくさん飲むけど、グラインダーを持っていないという方は、ぜひグラインダーを買いましょう!

グラインダーを購入するお金はかかりますが長く使えますし、美味しいコーヒーを楽しめるとなれば結局はコスパに優れていることになります。
 
「それでも粉で購入するしかなくて…」という方はどうすればよいのでしょうか?




どうしても粉という場合の妥協案 この買い方がおすすめ

粉で購入する場合、井崎さんはこうした工夫を勧めています。

しかし、ここまで言っても、粉で買いたいという方には妥協案があります。
 
ぜひ、一週間で使いきれる量のコーヒーを購入してください。
 
少量ずつ購入することで、大量購入に比べれば比較的劣化を防ぐことが可能です。
 
面倒ではありますが、美味しいコーヒーは毎日飲みたい、でも毎日コーヒー豆を挽くのは面倒、という方への妥協案です。
 
ただし、理想は豆のまま購入し、抽出の直前に挽くことです。これだけはお忘れなく!
 

豆の保存の仕方などは関連記事も参考にしてみて下さい。