第15代ワールド・バリスタ・チャンピオン・井崎英典さんが著書「世界一美味しいコーヒーの淹れ方」で、焙煎に失敗した豆について解説されています。

そうした豆で淹れると、どんな味のコーヒーになるのでしょうか?

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ワールド・バリスタ・チャンピオンが教える 世界一美味しいコーヒーの淹れ方
※試し読み・kindle版あります


同書の82~85ページから、一部を抜粋して紹介します。(この本は参考になりますよ!)




焙煎失敗3つのケースとそのコーヒーの味 収斂味とは?

コーヒーの味に違和感を感じた場合、それは焙煎が原因であることが多いようです。

たとえ同じ焙煎プロファイルで同じようにコーヒー豆を焼いたとしても、毎度同じ味わいになることないでしょう。
 
すなわち、焙煎には未だ解明されていない味わいに影響を与える不確定要素がたくさん存在するのです。
 
したがって、味わいに関する違和感は、焙煎が原因の場合が多々あります。
 
例えば、いつも同じコーヒーを買っていたとします。馴染みの味わいがいつもと違うな、という経験はありませんか。それは多くの場合、焙煎に起因します。
 

焙煎失敗の3つのケースと、その豆で淹れたコーヒーはこのような味になります。

それではどのような焙煎のエラーが想定されるのでしょうか。
 
1 豆が焦げている
2 豆の内部まで火が通っていない
3 豆の表面が焦げており、中に火が通っていない

 
大まかに分類して右記の三種類が代表的な焙煎のエラーです。
 

 
1は、生豆に対して過剰な熱量をかけた場合に起こります。許容範囲を超えた苦味が支配的な味になります。
 
2は、浅煎りでよく見られるエラーで、火力が足りていない場合に起こります。刺激的な収斂味、エグ味が感じられます。
 
3も、よく見られる焙煎のエラーです。焙煎序盤のフェーズで、過剰な火力をかけることで表面が焦げてしまい、焙煎後半で熱量を豆の内部まで伝え切ることができなかった場合にこのエラーが起こります。
 
焦げによる刺激的な苦みと、生焼け状態によく見られる収斂味が顕在化します。

「収斂味」について補足しておきます。
 
収斂味とは「しびれるような味」です。定義としてはこんな感じです。
 
「未熟なコーヒー生豆によって引き起こされる、舌がしびれるような不快な感覚。 舌にしびれを感じさせる不快な味。 渋みやえぐ味」
 

 
近年は家庭用ロースターも様々な機種が販売されており、自宅で焙煎しているという方も増えています。
 
自分でやってみて「何か味がヘンだな?」と感じたら、焙煎に改善の余地があるのかもしれません。
 
上の井崎さんの解説を参考にして、焼き加減を調節してみてはいかがでしょうか。