第15代ワールド・バリスタ・チャンピオン・井崎英典さんが、著書「世界一美味しいコーヒーの淹れ方」で「世界一美味しくする抽出ポイント」を解説されています。
豆やお湯の重さ、蒸らし時間など、井崎さんの考えるベストの数値がまとめられています。
同書の189~190ページから一部抜粋して紹介します。(この本は参考になりますよ!)
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ワールド・バリスタ・チャンピオンが教える 世界一美味しいコーヒーの淹れ方
※試し読み・kindle版あります
世界一美味しいコーヒーのために 井崎さんが留意するポイント
最も美味しいコーヒーを入れるため、これまでのキャリアで井崎さんが必要と考えた手順や数値があります。
ここまで自分好みの「世界一美味しいコーヒー」を淹れるために必要な抽出技術や思考法をお伝えしてきましたが、少し難しく感じたかもしれません。
最後にここでは、抽出の6つのルールに加えて、前の節で触れた「抽出比率」「揺すり」「水」などの、計量から抽出に至るすべてのポイントをまとめておきます。
ハンドドリップに限らず何かを調理する、作る場合には「目分量」でも上手くいくものですが、誰かに伝える、味を均一にする場合は数字で表すほうが便利です。
ご紹介した情報や技術は、私の抽出に対する考え方を反映させたものです。
私は数値をもとに抽出をデザインした上で、適切な技術を用いて均一な抽出を促進し、効率良く可溶性固形分を引き出すことが、自分好みの「世界一美味しいコーヒー」に一歩近づく最良の方法だと考えています。
豆の重さ 計量スプーンでなくスケールで
計量スプーンで計量せずに、コーヒー豆はスケールで計量しましょう。
浅煎りであろうとも深煎りであろうとも、一貫した重量でコーヒーを正確に測ることができます。
お湯の重さ 全て載せてからゼロ設定に
サーバーの目盛りを目安とするのではなく、実質的に使用しているお湯の量を計測するようにしましょう。
そのために、コーヒーの粉、ドリッパー、ベーパーフィルター、サーバーをスケールに載せて、ゼロ設定をしてからお湯を注ぎます。
抽出比率 お湯100gに対する豆の重さ
使用する湯量100グラムに対して、コーヒー豆は6~8グラムを使用します。
濃度感の好みに応じて、使用する粉量は微調整すると良いでしょう。
抽出時間/コンタクトタイム
一般的な抽出時間の目安は2~3分程度ですが、本書における抽出時間は「3~4分」が目安となります。
ただ、ドリッパー内でお湯とコーヒーが触れ合っている時間を指す「コンタクトタイム」の方が重要です。
たとえ抽出時間が3分を超えたとしても、コンタクトタイムが2~3分の間に収まっていれば、問題はありません。
温度 焙煎度合いに応じて ドリッパーも温める
抽出時に使用する湯温をコントロールしましょう。焙煎度合いに応じて、抽出湯温を柔軟に変えることも重要です。
例えば、浅煎りの場合と深煎りの場合では基準となる温度(92度)から2~4度を増減させることで、焙煎度合いに応じた抽出湯温で抽出することができます。
抽出前には、ドリッパーを温めることを徹底しましょう。
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蒸らし 溶解度を劇的に向上させる蒸らし時間とは?
フィルターベッドがフワッと膨らむコーヒードームができること、注いだお湯がドリッパーから落ちなければ蒸らしは成功とする説は、本書における蒸らしのゴールとは関係がありません。
蒸らしのゴールとは、粉全体にお湯を行きわたらせ、二酸化炭素を効率よく放出し、本抽出フェーズで効率よく可溶性固形分を引き出す下準備です。
蒸らしは30秒程度が一般的ですが、約1分を目安に蒸らすと、溶解度が劇的に向上します。
注ぎ方(流量・流速・回数・高さ)
蒸らしフェーズにおける適切な流量・流速は秒速3~4ミリリットル程度、抽出フェーズにおける適切な流量・流速は秒速5~7ミリリットル程度です。
注ぐときは、水流によるドリッパー内の粉の攪拌状況を加味して、5センチの高さから注ぎましょう。
フィルターベッドの中央から外側へ渦を巻くように円を描いて注ぎ、ドリッパーの壁まで臆せずお湯をかけてください。
揺すり 粉とお湯を偏りなく混ぜる
蒸らしのフェーズでお湯を注ぎ終わった直後に、ドリッパーを両手で持ち、ドリッパー内の粉とお湯を円を描くように、ドリッパーを3回ほど揺すってください。
すると、粉とお湯が満遍なくスピーディーに混ざり、効率良く蒸らすことができます。
また3投目を注ぎ終わった際も3回ほど揺することで、粉がドリッパーの側面に張り付く現象を防ぎ、ドリッパー内のお湯が落ち切るまで、お湯と粉が均等に触れ合う状況を作りだすことができます。
水 硬度や水道水を使用する場合に注意すること
1リットルあたり約30~50ミリグラムの硬度のミネラルウォーターを使用すると良いでしょう。
硬度が極端に高い水や、蒸留水や純水など硬度がゼロの水は抽出には不適切です。
水道水を使用する場合は、煮沸するとカルキ臭を除去できます。
以上は概要をまとめただけですので、各工程の詳細は井崎さんの本を参照して下さい。
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