個人的には、コーヒーは大昔から飲まれてきたイメージがあったのですが、岡希太郎薬学博士によると、いわゆる古代文明にはコーヒーに関する記録は無いそうです。

紀元前1500年頃のパピルスに書かれた古文書には、700種類の動植物や鉱物が薬として使われた記録が残っています。しかしその中にコーヒーらしい記述はありません。
 
(このコンテンツは「珈琲一杯の薬理学」11~12ページを参考にしています)


珈琲一杯の薬理学
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エジプトと並んで世界最古の文明発祥地であるメソポタミアでは、人類史上最も古い薬の記録が年度板に記されました。これには500種類の植物の名前が記載されていますが、その中にコーヒーと思われる植物はありません。
 
医学・薬学の祖として現代でも認知されているギリシャではどうでしょうか?
 
紀元前400年頃のギリシャでは、医師たちが病気やケガ、およびそれに効く薬草の研究が盛んに行われていました。その代表者がヒポクラテスであり、400種類の薬を使いこなしたとされています。
 
しかしここでも、コーヒーを使った形跡が見あたらないのです。
 
これはアジアでも同様であり、アジア地域にコーヒーが伝わるのはずっと後、16世紀頃のウイグル地区が最初と考えられています。
 
シルクロードを伝わってイスラムのコーヒーが到達するのですが、それでも西安や北京まで伝わった様子はありません。